チンクの暖房とデフロスター

2010/03/17


今年の冬は、大阪ではよく雨が振りました。そんな雨の中の走行が多い今日この頃、エアコンのない旧車ゆえに窓もそこそこ曇って困る場合も。

チンクの場合はヒーターの温風吹き出しを足元から窓の方へ導いて、窓の曇りを防止する仕組みがあるのでけっこう重宝します。



その温風は、このカタツムリのような形のエンジンカバー内からやってきます。

後方から吸い込んだ外気を発電機と同軸で回るファンでエンジンカバー内に送り込んで、エンジンを冷却して熱々になった風は運転席の方まで導かれます。

なので、たまにマフラーから出た排気ガスが風に乗ってエンジンカバーの吸い込み口に入ったりして、車内が排ガス臭くなることがあります。無風の時の信号待ちの時に、よくそんな症状が出ます......(^^;



エンジンカバー後方のこのゴム製ホースの中を温風が通って室内に導かれます。



車内を通るダクトの途中に風の通り道を開け閉めするダンパーがあります。操作はこの後席足元のレバーを回すことで開閉されます。ところがこのダンパー、全閉にしても結構な温風が漏れて前へと進みます。そしてサイドブレーキ付け根の隙間から吹き上げてきます。夏でも......(^^;

しかしこのアナログな操作、こういうのが私は大好きなんです。



そんなわけで、夏でも冬でも走行中のサイドブレーキレバーの根元は火傷するくらい熱いのです。ほんとに笑えますね(笑)
でも逆に手が冷たいときはこのレバーを握って手を温めることが出来ます。レバーのどのあたりを握るかで温度が違うので、ちょうどいいところを探します。

家内はこれを ”チンクと手をつなぐ ”と表現しています(笑)



そんな道中をのりこえて運転席と助手席の足元までやってきた温風は、このくちばしのような吹出口から出てきて足元をぽかぽかと暖めてくれるのです。

風量はエンジン回転数に比例するので、調子よく走っていれば10分くらいで風が温かくなってきます。そのまま走り続けると暑くてのぼせるほどよく効きます。しかし、朝の通勤で信号待ちや渋滞が多いと、エンジン回転が上がらず風量がなくて、なかなか暖まりません。真冬の寒い日だと1時間弱の通勤で暖かいのは最後の10分くらいの日もあります......(^^;
そして、外気温が3度を下回ると、調子よく走っていても右半身は温かいけど左半身が凍えます(笑) 鉄板のドアからの冷気が温風より強力なのでした......(^^;

くちばしの開き具合はツマミを回して調整しますが、全閉すると温風はフロントガラスのほうへとさらに旅を続けます。ほんと長旅ですねぇ(笑)



くちばしを全閉して温風をさらに進めた先は、写真右上の吹き出し口です。ここからフロントガラスに向いて温風が吹き、曇りを防止してくれるのでした。

こうしてエンジンを冷却した温風は長い長い旅の末、私たちを暖めて、窓の曇りを防止してと、とことん再利用されるのでした。
スゴイですねぇ〜



スゴイと言えば、このフラップ。

これはエンジンカバー内の冷却風の逃がし口ですが、エンジン始動後あるていどの温度になるまで、または外気が冷たい時には閉じていて、車内に入る温風を多く確保します。そして外気の暑い夏や、エンジンルームがチンチンに暑くなってるときは開いて、より効率よくエンジンを冷却した温風を逃がすのです。

冬の走行中に街中から山道に入って外気温がぐっと下がると、十分暖気されていてもこのフラップが閉じるときがあります。フラップが閉じると後部からヒュイ〜〜〜ンという音が聞こえるのでよく分かります。運転席をより暖めるために閉じてくれたんだなぁと、なんかチンクの気遣いを感じてうれしくなる瞬間です。

その制御は電気を頼ることなくサーモスタットで機械的に行われます。

こんな感じでチンクはエンジン冷却のファンひとつとっても、原始的構造ながらとことん良く考えられていて、操作も原始的かつダイレクトなもので、そんなところの一つ一つが知れば知るほど感動を与えてくれます。



そんな構造のおかげで雨の視界もこのとおり。最初だけ軽くひと拭きしておけば大丈夫です。



サイドガラスはさすがに少し曇ります。



リアガラスは......これは仕方ないですね......(^^;
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Comment
雨の日の儀式
チンクエチェントは凄いです。
あの機構はとても便利で安全です。
あの小さな車体の中で、かなり複雑な細工がされているのですね!
それに比べ2CVは・・・

下記のページに興味深いyou tubeがあります。
先日のコッパディで私の隣に停まっていたクルマのさらに古い版です。
3つの内の最後の動画の最後の部分??が、まさに2CVでも雨の日の儀式?通常作業?です(笑)
ご堪能ください!!

http://www.webcg.net/WEBCG/essays/makkina/e0000022494.html


梅雨は....
teraさん

なるほど、この儀式が繰り返されるのですね(笑)
クリンビューが欠かせませんね。
しかし梅雨の雨ではチンクもデフロスター効かせると温風で暑いんで、切ったらこんなかんじになるのかな?

ますますチンクが好きになる〜
『チンクと手をつなぐ』奥様素晴らしい表現力!
ますますチンクが好きになってしまいました♪
サイドが熱くなるなんて、現代車には無いですよね〜
僕は冷え症なんで、寒い日の運転は苦手です(泣)
ビートはどこもかしこも冷たいです…
しかもプラスティックの微妙な冷たさです(笑)

あったかです
shigemixさん

なかなか可愛い表現でしょ(笑)
でも寒い日にチンクに乗り込んで、暖気が済んだ頃にサイド握るとほんどにあったかくて気持ちいいんですよ♪

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